キリスト教福音宣教会|Christian Gospel Mission

写真展『千の岩を立てる ― 天に届く岩の造景群』イベントレポート

公開日:2025年12月15日 カテゴリ:レポート/インタビュー

韓国・忠清南道錦山郡にある月明洞(ウォルミョンドン)に築かれた、巨大な岩の造景群。そのスケールと思想を紹介する写真展『千の岩を立てる ― 天に届く岩の造景群』が2025年11月15日〜11月17日に世界で初めて開催され、約430名が来場しました。本記事では、その様子を主催者インタビューと合わせてお届けします。

月明洞という“自然の聖殿”

専門ガイドによる解説付き鑑賞を実施しました。月明洞の地域的特性や構造的な特徴を手がかりに、構造物としての魅力を紐解きつつ、わずか35年余りでここまで大きく変化した理由を、代表作「野心作」(全長約240メートル・高さ約50メートルに及ぶ岩の造景作品)の開発過程を通して紹介しました。

建築の専門教育を受けていない一人の牧師が、五度の崩壊を乗り越えてなぜこれほど多くの石を立て続けられたのかという問いに迫り、開発の根本精神を示しながら、来場者一人ひとりの生き方へと繋がる専門ガイドのメッセージに参加者は深く頷きながら耳を傾けていました。

迫力のあるパノラマ写真や映像を通して、実際に現地に訪れて直接見てみたいという声も聞かれました。

森林ガイドによる体験型トークイベント

四万十川の源流域にある限界集落を拠点に自然ガイドやツアー企画に携わる船越友記郎さんを講師に迎え、「視点」をテーマにしたショートレクチャーを実施。自然を通して「このようにこうだ」と学べるプロセスや専門家の立場から月明洞がいかに希少な地域かについても語っていただきました。

その後、近隣の公園へ移動し、野外ワークショップを行いました。目を閉じて耳を澄ますと小鳥のさえずりや、風で葉がこすれ合う音が立ち上がり、万物の神秘に気づかされます。

視点の変化を促す“お助けツール”として、参加者一人ひとりに異なるメッセージが書かれたオリジナル格言カードを配布。

参加者からは、「当たり前に見ていた自然や自分自身への見方が変わり、自分の存在価値をひしひしと感じるようになった」との声が寄せられました。

主催者インタビュー

発案から約1年の歳月を経て開催された『千の岩を立てる ― 天に届く岩の造景群』。主催者に、企画に込めた思いやこだわりを聞きました。

[主催者紹介]HANA
美術大学卒。インテリアデザイナーとして活動し、設計事例は複数のメディアに掲載。高校2年生から教会に通い聖書を学ぶ。初めて月明洞を訪れたことを契機に建築やものづくりへの関心が深まり、仕事の知見を広げる中で月明洞の価値理解をさらに深めていった。現在は、その魅力を広く伝える活動に注力している。


―― なぜ今、『千の岩を立てた造景群』を写真で公開しようと思ったのですか?
現在は、先が見えづらく不確実性が高い時代的な背景も相まって、将来に対して不安感が募り、明るい未来を描くことが容易ではないひと時を過ごしていると認識しています。それでも社会をより良い方向に進めようと努力している友人たちの存在やニュースやSNSを通じて活動する方々の存在に力を受けます。今回の写真展では、前代未聞の岩の造景である「野心作」が出来上がるまでの過程を通して、挑戦する人の背中を押し、また困難や限界に直面している人が力を受け取れる場をつくりたいと思いました。目標に向かって諦めない姿勢が、この時代を生きる一人ひとりへのメッセージになればと願っています。


―― 作品セレクトのこだわりは?
タイトルにある「千の岩を立てる」――最後までやり抜く、五転六起の精神をコンセプトに、岩の造景作品「野心作」を軸に展示構成を組みました。月明洞の作品群は広範で多面的な紹介が可能なため、何を核心に据えるか定まるまで約半年の歳月がかかりました。世界初公開となる「野心作」の最大判写真を目玉として配置しました。

―― 来場者にどんな変化が起きたら成功だと感じますか?
世代を超えて、自身が今向き合っている課題の答えに出会い、行動する意欲がさらに高まったり、今の取り組みを最後までやり抜こうと思える心の燃料になれば嬉しいです。また、今回の企画をきっかけに現地を訪れたいと感じる方が増えることも願っています。

―― 今後の展望を教えてください。
関西方面での開催希望をいただいており、来年は東京に加えて関西でも開催したいと考えています。詩の展示や、写真の鑑賞と対話を組み合わせた対話型鑑賞プログラムにも挑戦したいです。将来的には芸術大国であるイタリア、パリ、ニューヨークでも写真展を開き、月明洞の芸術性を広く紹介していきたいです。人智を超えた造景に刻まれた教訓や知恵、芸術性は、専門家にとっても興味深く、研究対象となるのではないかと感じています。単にきれいな写真を並べて終わりではなく、建築家や専門家とのネットワークを広げながら、この造景群の美しさや深い魅力を世代や国籍を問わず広く発信していきたいと考えています。

---

イベント概要

タイトル写真展『千の岩を立てる ― 天に届く岩の造景群』
開催期間2025年11月15日(土)〜11月17日(月)
会場OZstudio 渋谷東(東京都渋谷区東1-25-5 フィルパーク渋谷東3F)
チケット写真展(一般) 850円
写真展+専門ガイド解説 1,000円
写真展+森林ガイド体験型トーク 1,250円
主催月明芸術会
後援キリスト教福音宣教会
展示壁面作品11点+関連資料・書籍など計40点予定

参考リンク

写真展特設サイト:https://sennoiwa2025.studio.site/
月明洞 公式紹介サイト:https://wolmyeongdong.com/
インスタグラム:@maa_wolmyeongdong

取材日:[2025年11月16日]/ 文・写真:CGM広報編集部
本記事の内容は取材日時点の情報に基づきます。最新の情報は公式サイト・特設サイトをご確認ください。

トピックス一覧を見る